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ピペットを迅速に点検する方法

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5つの実用的なヒントとSOP(日本語版)

ピペットのクイックチェックガイドSOPと5つの実用的なヒント
ピペットのクイックチェックガイドSOPと5つの実用的なヒント

希少な物質を使用する重要な実験計画や、使用したピペットの測定が正確だと確認する必要はありますか?ご存知の通り、ピペットの落下や部品の劣化は起きるものです。したがって、ラボ用天びんで重量法によるピペットのクイックチェック(ピペット検査、性能検査とも呼ぶ)を行い、ピペットの性能を検証することをお勧めします。これはデータの精度を確保し、故障のリスクを全体的に減らすための優れた方法です。

ピペットの性能検査が重要な理由

East Coast Pharma社の調査(1998年~2003年)によると、サービスプロバイダーに送られるピペットの最大35%が規格外だそうです。もしお持ちのピペットがそうだとしたら、影響があったかもしれない測定の特定に多大な時間と労力をかけなければならないということでしょうか?誤った結果を導く実験のリスクは何でしょうか?

ピペッティングのリスクを減らし、このような事態を避けるには、定期的にピペットのクイックチェックを行って不良を早期に発見し、次の校正サービスで意外な問題をなくす必要があります。

ラボ用天びんで行う簡単でシンプルな点検

ピペットの点検は難しい、難しくて自分で点検を実施できないのではないか、そんな風に思っている方は「ピペットのクイックチェック 5つの実用的なヒントとSOP」ガイドで簡単に実施できるピペットの点検方法をご覧ください。また、より簡単、迅速、正確に点検を実施する方法を検討されている方にも役立つ情報をご紹介していますので、既に点検を実施されている方もぜひご活用ください。

ピペットのクイックチェックを行う際に役立つ5つの実用的なヒント 

重量法によるピペットの点検では、分析天びんにセットされた受け入れ容器に蒸留水のサンプルを吐出します。

その際に、なぜ通気、直射日光、振動のない環境で作業する必要があるのか、なぜ重量法による検査の最中に蒸発による水分の損失を考慮することが重要なのか、モイスチャートラップを使用して水分の損失を最小限にするにはどうすればいいのか、を知る必要があります。

ピペット検査を確実に成功させるため、次の5つの重要な必要条件それぞれについて実用的な役立つヒントをまとめました。

  1. 環境
  2. ピペットとチップ
  3. 点検用の液体
  4. 天びん
  5. 計量する容器と蒸発

ピペット校正で一般的に使われるディッシュや100mlの大型ビーカーが、計量容器に向かない理由を見つけてください。このガイドでは、蒸発率を決めるパラメータに関する実験データを示しています。例えば、容器の中の液体の表面が大きければ大きいほど、蒸発率も高くなります。

特に少量(< 50μl)を計量中に蒸発による損失を最小限に抑えるには、蓋付きの容器かできればモイスチャートラップを使用する必要があります。

 

10ステップでできるクイックチェックのSOP

ガイドでご紹介しているSOPを使用して、不具合や故障のあるピペットを発見した場合は、研究室の日常的な作業で使用しないようにしてください。

ピペットのクイックチェックに使う機器
ピペットのクイックチェックに必要なものは、容器(できればモイスチャートラップ)、脱イオン水、そして当ガイドだけです。