自動分注ソリューションを導入すると、時間を節約し再現性の高い結果を得ることができ、分析における他の重要な作業に専念する時間が増えます。
粉体の微量計量は、粉体のさまざまな性質や幅広い物理的特性のため、常に課題がともないます。粉体にはさまざまな密度と粒子サイズがあり、それに応じて特性が大きく異なります。例えば、軽量で飛散性が高く帯電しやすい粉体や、重く流動性が高い粉体、さまざまな粒子形状をともなう結晶質の粉体、または粘着質で水分を吸収しやすい（吸湿性）粉体などがあります。このような特性によって、粉体の取り扱いが物理的に難しくなるだけでなく、計量誤差や誤った測定につながる可能性があります。
粉体サンプル調製の作業中に行われる計量ワークフローは従来手作業で行われており、面倒で時間のかかる作業とも言えます。特に複数の粉体を計量する場合は、ワークフローにおけるボトルネックの原因になります。自動粉体分注はかり、または天びんを使用することで、この問題を解決できます。
正確、安全で効率的な粉体/液体の分注が可能になりました。このビデオをご覧いただき、XPR自動分注天びんによって作業を簡単に向上させる方法をお確かめください。
正確さと扱いやすさ
スパチュラを使用した手動での粉体計量は、特に多くのサンプル計量が必要な場合、難しく、時間がかかり、繰り返しの多い作業になる場合があります。また、さまざまな粉体の物理的特性は多岐にわたり異なるので、ミリグラム単位の少量を正確に計量するには多くのスキルと経験が必要です。帯電しやすいサンプルや吸湿性のあるサンプルでは、作業がさらに難しくなります。
安全性
医薬品有効成分などの危険物質や有毒物質は、たとえナノグラムのレベルであっても健康に害を及ぼす可能性があります。特に軽く低密度で飛散性が高い化合物を扱う場合、粒子はきわめて浮遊しやすくなり、そのような物質は細心の注意を払いながら処理する必要があります。
データ管理とトレーサビリティ
すべての測定データやプロセスデータには完全なトレーサビリティが求められ、安全に保存し、監査のために容易にアクセスできる必要があります。
固体物質をより迅速に計量し、反復的で時間がかかる手作業の手順を避けたいとお考えですか？または、自動ソリューションならではの微量の最小計量値を利用して、貴重な物質の使用量を大幅に減らしたいとお考えですか？有害物質への暴露のリスクを減らし、ユーザーの安全性を向上させたいとお考えですか？
自動粉体分注についての詳しい情報やサポートについて、メトラー・トレドの専門スタッフチームがご要望にお応えします。お気軽にお問い合わせください。
安全性の利点
安全性はXPR自動分注天びんの重要な利点です。有害性の恐れがある粉体や未知の粉体は密封式の分注ヘッドに格納し、必要に応じて天びんにクリップで留めるだけで使用できるので、オペレーターの暴露リスクを大幅に減らすことができます。自動粉体分注はこぼれ落ちのリスクが低く、密閉されたシステム（ドラフトシールド）の内部で分注が実施されます。必要に応じて、装置全体を安全キャビネットやグローブボックス内に簡単に設置して、より高いレベルの保護を実現できます。
生産性の向上
粉体を手作業により高い精度で正確に分注するには、技術者は高い集中力で臨む必要がありますが、それでも人為的エラーのリスクが高く、規格外（OOS）や許容差はずれ（OOT）の測定結果につながる可能性があります。自動計量を使用することで、このようなエラーのリスクが最小限に抑えられ、処理が大幅に速くなります。
物質の経済的な使用
XPR自動分注天びんを使用した自動分注では、サンプルの正味最小計量値が最大で30%減ります。これにより、貴重な物質や希少サンプルの使用量を最大75%も節約できるので、結果的に投資の利益回収も早まります。
XPR自動分注天びんの操作
自動文書作成
XPR自動分注天びんは LabX™ラボ用ソフトウェアと組み合わせることで完全なワークフローソリューションとなり、包括的なデータ処理やサンプル追跡機能といった利点を得られます。メタデータを含むすべての測定データやプロセスデータは、一元管理されたデータベースに安全に保存され簡単にアクセスできるので、いつでも監査に対応できるようになります。
ケーススタディ「製薬/バイオテクノロジー向けの自動粉体分注」をダウンロード
サンプルチェンジャーをXPR自動分注天びんに追加するだけで、一度に最大で30個の容器に固体と液体を全自動で分注できます。メトラー・トレドの幅広いアダプタのポートフォリオは、現代の研究室で使用される多くの標準的なバイアルや容器に対応しています。さらに、カプセル充填に使用する専用アダプタもあります。
ハイスループットの全自動システムは、多くの粉体を少量で計量する必要がある状況、例えば触媒スクリーニング、調合実験、または溶解性スクリーニングに適しています。CHRONECT XPR自動粉体分注プラットフォームは、最大32種類の異なる粉体を1つのバッチで最大288のバイアルに正確に計量できます。 このシステムは、36（3 x 12）～288（3 x 96）個の容量1～8mLのバイアルまたは容器に対応する、最大3つの異なるプレートを同時に収容できます。
オペレーターがサンプルを処理すると個人差によるばらつきや外部から影響による変動が発生しますが、自動計量であればこれを排除できるため、XPR自動分注天びんを使用すると最小計量値をさらに減らすことができる場合があります。これにより、化合物の使用量を減らすことができます。自動計量ではこぼれ落ちのリスクが減ることも考慮に入れると、使用可能な量が限られている貴重な物質の使用量を減らすことができ、効率的に使い続けることができます。
計量プロセスの際にサンプルまたは容器の帯電を削減または解消するためのオプションは数多くあります。XPR自動分注天びん専用設計のイオナイザーでは、サンプルや容器を天びん装置の中または上に置いたときに、帯電している静電気を除去できます。メトラー・トレドは各種の静電気除去ソリューションを提供しており、最近の革新的な天びん技術により、静電気帯電が測定に及ぼす影響を検出し、その影響を補正できるようになりました。
粉体計量の自動化を検討してください。XPR自動分注天びんには、長年にわたる実績のある粉体計量技術が組み込まれており、さまざまな物理的特性を持つ多様な粉体を計量できます。はじめに材料を多量に用意する必要がなくなり、手動で行っていた面倒で反復的な計量作業を装置が処理することで、オペレーターには時間の余裕が生まれます。
