潤滑グリースのサンプル調製は、ASTM D566規格に規定される元来の仕様に従います。この仕様はASTM D2265/IP 396規格でも使われ、以下のステップにも含まれています
潤滑グリースのサンプル調製は、ASTM D566規格に規定される元来の仕様に従います。この仕様はASTM D2265/IP 396規格でも使われ、以下のステップにも含まれています
ステップ1: 二次汚染を避けるため、滴点用カップはトルエンやイソプロパノールなどの溶媒、あるいはこれらの混合物で洗浄する必要があります。(超音波洗浄器の使用が望ましい。)または使い捨てアルミ製カップを使用します。
ステップ2: グリースのサンプルは、アクセサリボックスに含まれるスパチュラでカップに密閉します。 グリースをカップ一杯に充填したら、スパチュラで余分なサンプルを除去します。
ステップ3: カップが一杯になったら、ASTM D566規格に準拠した寸法の金属ロッドをカップ底部の小さな穴から入れ、グリースのサンプルを押し込みます。 カップをロッドに沿ってねじるように動かし、グリースの円錐状になっている部分を除去します。 これにより、再現性のある厚さを持つ滑らかなグリース層がカップ内に生成されます。カップ内の壁は潤滑グリースで完全に覆われていることが重要です。そうでない場合、充填プロセスを繰り返す必要があります。
ステップ4: サンプルを入れた滴点カップの蓋を閉じます。 軟化点用カップ下に付けるガラスコレクタと共に、全アセンブリをサンプルキャリアに取り付けます。
重要: 熱伝達はサンプルの質量に左右されるため、質量を可能な限り縮小して、効率的かつ徹底的な熱伝達を行う必要があります。 サンプルがカップ一杯に充填されている場合、カップ内の壁からサンプルの中心に向けて温度傾斜が起こってしまいます。 これはカップ内の壁に近い物質の一部が液化する一方で、サンプルの中心部が元来の半固体相にとどまる原因となります。 その結果、グリースの滴点温度が非常に高くなってしまうか、加熱しても何も滴下しないという事象が起こり得ます。
最適なグリースのサンプル調製については、こちらのビデオをご覧ください:
ステップ1: サンプルを、予想される軟化点より高温かつ110℃以下の加熱板に載せた適切な容器(ここでは真鍮製の容器)で融解させる必要があります。 融解サンプルを攪拌して完全に均質にします。
ステップ2: 融解後に、サンプル調製ツールを使用してサンプルをカップに注ぎます。 融解したサンプルをガラスロッドなどでカップ内に導入し、気泡のない状態でサンプルが充填され、高温の飛沫がないことを確認します。 次にサンプルを30分間以上、周囲温度になるまで冷却します。
ステップ3: サンプルの余剰分を加熱したナイフでカップから取り除きます。 ここでは、サンプル調製ツールが滴点カップへの適切な充填に非常に役立ちます。 サポートディスクがあるため、外面の汚染を防ぐことができます。 サポートディスクの表面が軟化点カップの縁と揃っているので、過剰なサンプルはカップから簡単に繰り返し取り除くことができます。
ステップ4: サンプルの重しに必要なボールをカップの上に置き、ボールが入るようにカップの蓋を閉じます。 軟化点用カップ下に付けるガラスコレクタと共に、全アセンブリをサンプルキャリアに取り付けます。
重要:
樹脂やロジンは原則としてビチューメンと同様に調製します。 ただし、以下の点を考慮することをお勧めします。
最適な樹脂サンプル調製については、こちらのビデオをご覧ください:
原則、ワックスのサンプルは他の融解サンプルと同様に調製し、サンプル調製ツールは以下のように使用可能です。
ステップ1: ワックスのサンプルは、加熱板上の適切な容器の中で、予想される融点より15~20℃高い温度で融解します。 その後、融解したサンプルを気泡が発生しないよう慎重に滴点用カップへ充填します。
ステップ2: アクセサリボックスに付属しているスパチュラで、余分なサンプルを取り除きます。 測定を開始する前に、周囲温度で2時間固化させます。
ステップ3: サンプルを入れた滴点カップの蓋を閉じます。 軟化点用カップ下に付けるガラスコレクタと共に、全アセンブリをサンプルキャリアに取り付けます。
ステップ1: 粉体サンプルでは、ディスク状の計量容器をサンプル調製ツールの上に取り付けます。粉体はこの容器を通って下にあるサンプルカップに入ります。 この計量容器の穴の直径は、下にあるカップの開口部に正確に一致します。 少量の粉体をカップに合わせた計量容器を通してカップに入れます。
ステップ2: 次に、突き棒の丸い先端を使用してサンプルをカップに押し込みます。 カップにサンプルが完全に充填されるまでこの手順を繰り返します。
ステップ3: 次に、突き棒の平坦な部分を使用してサンプルに押しつけ、サンプルの表面がサポートディスクの表面と水平に揃うようにします。 サポートディスクを回して、次に充填するカップへ穴を合わせ、充填の手順を繰り返します。